生物由来の痕跡:調査まで対象を保全する方法

生物由来の痕跡は、保管条件や対象の取扱いの影響を受けやすいものです。専門家と手順を合意するまでは、自己判断で材料を分離したり、その種を判定しようとしたりすることよりも、元の状態と引渡しの履歴を保つことが重要です。
便宜のために対象を変更しない
痕跡を「浮き立たせる」ために、物を洗ったり、溶剤で清掃したり、家庭用薬剤で処理したりしないでください。異なる物から得た材料を混ぜないでください。こうした行為は、特徴を変え、異物を混入させ、または結果を個別に説明できなくするおそれがあります。
対象の状態が急速に変化する可能性がある場合は、包装前に受入れを担当する専門家に連絡してください。「常に冷凍する」「常に密封する」という一律の助言は適切ではありません。要件は、対象、予定する分析および輸送方法によって異なります。危険性のある材料は、自己判断で採取しません。
記録する情報
- 物がどこで、どのような状況で発見されたか。
- いつ元の環境から取り出し、誰が取り扱ったか。
- 水との接触、加熱、清掃、処理または移動があったか。
- 対象のどの部分が、異なる発見場所に対応するか。
- どのように保管し、人から人へどのような方法で引き渡したか。
包装と識別
包装手順は、試験機関または専門家と合意します。別々の対象が気付かないうちに混ざってはなりません。包装の表示を、明細および写真と対応させます。袋に番号があるだけでは、中身の由来は確認できません。行為の順序を追跡できることが必要です。
安全であり、痕跡の変更を要しない場合に、物の全景と発見された材料の位置を撮影します。写真は位置関係の把握に役立ちますが、実物の対象に代わるものではなく、付着物、毛または繊維の生物学的性質を確定するものでもありません。
具体的に何を明らかにする必要があるか
種の帰属、材料の性質および個別の由来元の同一性の識別に関する問題では、課題と可能な調査が異なります。動物の毛に似た毛があっても、依頼者の知りたいあらゆる結論に必要な情報が十分含まれているとは限りません。比較調査用の試料の引渡しと必要な根拠は、別途協議します。
限界を踏まえた結果の読み方
意見書では、何が調査のために提供され、どの方法を用い、回答が材料のどの部分に関するものかが分かることが重要です。対象が変更されていたり、由来の記録が不完全であったりする場合は、その後の解釈でも、その限界を保持する必要があります。試験結果だけで、痕跡の発生に関するすべての事情が明らかになるわけではありません。
最初の協議では、通常、過剰な個人情報を送らずに、課題を説明し、利用可能な対象の明細を示すことで十分です。調査の可否は、材料の状態と実施者の専門的な知識・能力を評価した後に判断します。